今という時代

現代社会における科学技術の発展は私たちに 
物質的豊かさをもたらしました。 
しかし一方で私たちは「何のために生きるのか」 
ということを考える時間すら持てず、 
いつも「人」よりも「モノ」と過ごす時間が多く、 
ストレスの多い環境のもとで暮らしています。 


インドでは、今の時代を 
カリユガ「争いと偽善の時代」と呼びます。 
常に人々の心が乱されているのがこの時代の特徴です。 
今から約5000年も前に編纂された 
インドの古代文献『ヴェーダ』の解説書 
『シュリーマド・バーガヴァタム』は、 
現代の特徴について以下のとおり予言しています。 

「カリ・ユガ(争いと偽善に満ちた現代)には、宗教、誠実さ、
清潔さ、 慈悲心、寿命、体力、記憶が衰退する。(第12篇・第2章・1節)」 

私たちが物質的な「快適さ」や「豊かさ」を求めるとき 
それには際限がなく、そこで得られる満足はほんのつかの間の 
表面的なものに過ぎません。 

では、「本当の満足」とはいったい何でしょうか?

それに答えるにはまず、 
「本当の自分とは何か?」を知る必要があります。 
そのことをバガバットギータでクリシュナは説いています。 
「物質と精神の本性を学んで、 
真理を徹見した人は、 
非実在(肉体)は減少しても持続せず、 
実在(魂)は永遠に持続することを知る。」 
(『バガバットギーター』2章16節) 

肉体を満足させても決して真の満足は得られず、 
本当の自分が永遠なる魂であるということに 
気づいたときに、 

「本来自分が完全であり、愛に満たされていた」 

ということに気づきます。 
それによって真の幸福、つまり魂の満足を 
得ることができます。